運動会や創立記念日で振替休日ができた平日、家族で温泉宿に出かける機会は意外と貴重です。金土日を外せる平日1泊なら、貸切風呂の予約枠が空きやすく、大浴場も静か。4-9歳の子連れが湯を独占しやすい条件が揃います。今回は、箱根七湯のひとつ「芦之湯温泉」で1662年から続く松坂屋本店を、平日代休で泊まる宿として深掘りします。全21室・4,000坪の広い敷地、貸切露天風呂5室、子ども区分が予約時に細かく選べる運営が、平日ゆったり滞在に向きます。

Media Picks Score: 95 / 100  21室、旅館。

目安価格 ¥101,000–¥146,000 / 泊 (2名1室・通常期)

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)。


松坂屋本店 — 箱根芦之湯温泉 · 1662年創業、江戸期に「箱根七湯」に数えられた源泉を有する老舗旅館の外観
PHOTO: 松坂屋本店 — 公式サイトを見る →

歴史と敷地の広さ

創業は1662年 (寛文2年)。2022年に360周年を迎えた、日本でも数少ない江戸初期からの老舗旅館です。芦之湯は江戸時代に「箱根七湯」のひとつに数えられ、湯治場として文人墨客が集った土地で、隣接する熊野神社の境内には東光庵の跡が残ります。敷地は4,000坪 (13,200㎡)、5つの館が2,000坪の庭を囲むように配置され、全21室。館ごとに趣が違うため、通路や共用部で他の客と行き会う場面が少なく、子連れで多少賑やかにしても気にせず過ごせる密度です。芦ノ湖までは車で約8分、駐車場は無料22台分。国道1号線沿いで、都心から車でおよそ90分。運動会明けの平日、朝ゆっくり出発しても14時前後には現地入りできる距離感が、代休の日程に馴染みます。

松坂屋本店 大浴場 — エメラルドグリーンから白濁する珍しい源泉、含硫黄・硫酸塩・炭酸水素塩の三大美肌泉質を含む「権現の湯」
PHOTO: 大浴場 — 2023年リニューアル (公式サイトより)

「貸切露天風呂 5室」を平日にどう使うか

貸切露天風呂は5室、2019年4月にオープンしました。宿泊者は15:00〜23:45と翌朝7:00〜9:45の時間帯で、1回45分の枠で利用します。予約はチェックイン後にフロントで承ります。週末や祝日には枠が埋まりやすいのですが、平日は代休をとった家族層以外の稼働が下がるため、到着後すぐに希望時間帯を押さえられる確率が高くなります。運動会の代休で15時にチェックインし、荷物を置いて15:30〜16:15の枠を確保、日が傾く前の明るい湯を家族4人で楽しむ、というのが代休利用の典型的な使い方です。2026年10月1日宿泊分より、5,500円/45分の有料化が予定されていますので、時期によってはこの費用も予算に組み込むことになります。夕食前と朝食後の2回、貸切枠を分けて予約する家族も少なくありません。

大浴場も男女別に用意されており、営業はチェックインから深夜0:00、そして早朝5:00〜9:30。清掃時間の1:00〜4:00は使えませんが、それ以外は基本的にいつでも入れます。4歳〜9歳の子どもが大人と一緒に大浴場を使えるかは家庭によって判断が分かれますが、平日は他の客数が絞られるため、湯船を独占できる時間帯が生まれやすい環境です。もう少し人目を避けたい場合は、貸切露天風呂5室を朝と夜で回すか、客室露天風呂のある館(離れ・春風荘・芦刈荘・芝蘭荘)を選ぶのが現実的な選択肢になります。

松坂屋本店 貸切露天風呂 — 2019年開業、5室、100%源泉かけ流し、1回45分、宿泊者は15:00〜23:45で予約可
PHOTO: 貸切露天風呂 (公式サイトより)

子ども連れへの運営の姿勢

公式サイトの空室検索フォームには、大人の隣に「小学生 (食事・寝具付き)」「3歳以上未就学児 (食事・寝具付き)」「3歳未満 (食事無し・添い寝)」の3区分が最初から用意されています。この分け方が予約段階から見えている宿は、家族客の受け入れが日常運用として組み込まれていることの間接的な指標です。子ども料金の設計を後段の交渉に押しつけず、フォームで完結できるため、平日に思い立って予約する家族に向きます。館内貸出品には、ベビー用品各種、体温計、爪切り、LEDスタンド、加湿器、抱きマクラ、蚊取線香など、子連れが忘れがちなアイテムが揃います。数量限定なので、事前に電話で希望品を伝えておくと確実です。

食事は江戸期に賑わった宿場文化を汲む「宿場会席」。子ども向けの単品対応は事前相談が前提となりますが、小学生・未就学児それぞれの食事内容は年齢区分ごとに用意される仕組みです。夕食開始は一般的な旅館と同じ18時前後の時間帯で、4-9歳が空腹で崩れる前に卓に着ける動線が組めます。個室食かどうかはプランと客室タイプによって変わるため、予約時に確認するのが確実です。

客室の選び方

21室は5つの館に分かれ、館ごとに異なる歴史的建築と定員設定を持ちます。子連れ4人で泊まる場合の主な選択肢は次の通りです。

  • 離れ (HANARE) — 内風呂+露天風呂、定員1〜4名、2024年リニューアル。皇室別荘の由緒を汲む館で、平屋の独立棟。子どもと隔てなく過ごせる広さがあります。
  • 春風荘 (SHUNPUSO) — 内風呂+露天風呂、定員1〜4名。大正時代の岩崎別邸を移築した建物。家族4人が最も収まりやすい定員設計。
  • 芝蘭荘 (SHIRANSO) — 内風呂+露天風呂、定員1〜4名。庭を望む静けさが特徴で、乳幼児を寝かせた後に親が客室露天でくつろぐ動線が取りやすい。
  • 芦刈荘 (ASHIKARISO) — 内風呂+露天風呂、定員1〜2名 (大人2名向け・4人利用不可)。
  • 鶴鳴館 (KAKUMEIKAN) — シャワーのみ、定員1〜2名。明治期建築の二間続き和室で、価格帯を抑えたい場合の選択肢。

「客室露天付き × 定員4名」で子連れが最も泊まりやすいのは、離れ・春風荘・芝蘭荘の3館です。平日の代休利用なら、これらの館の予約成功率が上がります。

松坂屋本店 客室 — 5つの館・全21室、離れ・春風荘・芝蘭荘は定員4名で内風呂+露天風呂付き、家族4人で泊まりやすい構成
PHOTO: 客室 (公式サイトより)

集約レビューが映すこの宿の傾向

公開レビューデータを集計したところ、この宿への評価は「湯質そのものの良さ」と「静かさ」に集中して高い傾向が見られます。100%源泉かけ流し、含硫黄+硫酸塩+炭酸水素塩の三大美肌泉質を同時に持つ珍しい湯の質感が、宿全体の体験を底上げしています。一方で、繁忙期は貸切風呂の予約枠がすぐに埋まる傾向、館ごとに客室設備の差が大きいため事前理解が必要な点は、集約傾向として読み取れる注意点です。平日利用ならこの2点はほぼ解消され、静けさ・湯・広い敷地の3つの価値が家族に届きやすくなります。

芦之湯という立地について

芦之湯は箱根7つの温泉場の中で最も標高が高く (約860m)、夏でも都心より涼しく、秋の紅葉は10月下旬から11月中旬に色づきます。運動会シーズンの平日代休は、ちょうど山の色が変わり始める時期にあたるため、旅程の彩りとしても向きます。芦ノ湖・箱根神社まで車8分、大涌谷まで車15分ほど。子どもが動きたがる時間帯には遊覧船や海賊船が使えます。宿から芦ノ湖畔へ、朝食後にゆるく降りていく1泊2日の組み方が、4-9歳の運動体力に合います。

松坂屋本店 大浴場 — 2023年リニューアル、100%源泉かけ流し、国民保養温泉地に指定された「権現の湯」
PHOTO: 大浴場 (公式サイトより)

こんな家族に向く宿

  • 向く:
    4-9歳の子どもと平日1泊で温泉宿に出かけたい家族、貸切風呂を昼から確保したい家族、湯質そのものを重視する大人と子ども連れの両立を求める家族、静かな環境で子どもの声を気にせず過ごしたい家族
  • 向かない:
    キッズスペース・大型プール・ゲームコーナー等の子ども専用アメニティを重視する家族 (施設は歴史ある大人向けの造り)、5,500円/45分の貸切料金 (2026-10-1以降) を負担に感じる旅程、24時間いつでも大浴場に入りたい旅程 (清掃時間帯は入浴不可)

具体情報

  • 所在地: 〒250-0523 神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯57
  • 最寄り駅: 箱根登山バス「東芦の湯」下車 徒歩3分 (箱根湯本駅からバス約25〜30分)
  • 車: 国道1号沿い、無料駐車場22台
  • 客室数: 全21室 (5つの館・敷地4,000坪 / 13,200㎡)
  • チェックイン: 15:00〜 / チェックアウト 〜11:00
  • 大浴場営業: チェックイン〜0:00 / 5:00〜9:30 (清掃 1:00〜4:00)
  • 貸切露天風呂: 5室、15:00〜23:45 / 7:00〜9:45、1回45分、2026-10-1宿泊分より1室¥5,500 (税込)
  • 食事: 宿場会席 (夕食・朝食)
  • 子ども区分: 小学生 (食事・寝具付) / 3歳以上未就学児 (食事・寝具付) / 3歳未満 (食事なし・添い寝)
  • 創業: 1662年 (寛文2年)
  • 泉質: 含硫黄-カルシウム・ナトリウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉、弱アルカリ性、100%源泉かけ流し

よくある質問

Q. 貸切風呂は平日の昼から予約できますか?

A. 宿泊者の貸切露天風呂利用は15:00〜23:45と翌朝7:00〜9:45で、予約はチェックイン後にフロントで承ります。15:00にチェックインすれば、その直後の枠から選べます。平日は週末より予約が集中しにくいため、希望の時間帯を押さえやすい傾向があります。日帰り入浴の貸切個室源泉露天は¥17,600/1室 (1〜2名) で、宿泊とは別枠で昼から利用可能。ドリンク・バスタオル付きです。

Q. 子どもの料金体系はどうなっていますか?

A. 「小学生 (食事・寝具付)」「3歳以上未就学児 (食事・寝具付)」「3歳未満 (食事なし・添い寝)」の3区分。公式サイトの空室検索フォームで、大人の隣に人数を入れて予約できます。3歳未満は原則無料で添い寝、それ以上の年齢は年齢区分ごとに食事内容が用意されます。

Q. アレルギー対応や、乳幼児向けアメニティはありますか?

A. アレルギー対応は事前相談が前提です。予約時か遅くとも3日前までに電話 (0460-83-6511) で伝えるのが確実です。館内貸出品には、ベビー用品各種、体温計、爪切り、抱きマクラ、加湿器、蚊取線香、LEDスタンドなどが揃います。数量限定なので、必要な品は事前予約が安全です。

Q. 4-9歳の子どもは大浴場に入れますか?

A. 大浴場は男女別で、家族の判断で入浴できます。ただし他の宿泊客との共用ですので、人目を避けたい場合は貸切露天風呂5室 (45分/回) を予約するか、客室露天風呂付きの離れ・春風荘・芝蘭荘を選ぶのが実務的です。平日は稼働率が下がるため、大浴場を家族だけで独占できる時間帯が生まれやすくなります。

Q. 東京から車で行く場合、所要時間の目安は?

A. 東京都心 (新宿・渋谷) から国道1号線経由でおよそ90〜120分。首都高〜東名〜小田原厚木道路〜箱根新道のルートで、渋滞がない平日午前なら約90分。運動会代休の平日午前に出発、14:30前後に現地着、15:00チェックインで貸切風呂の初枠を予約、という組み方が可能です。無料駐車場22台。芦ノ湖・箱根神社まで車8分、大涌谷まで車15分。

本記事の参考情報

箱根町観光協会 — 松坂屋本店ページ — 芦之湯温泉の観光背景
Wikipedia: 箱根七湯 — 江戸時代の温泉場としての位置づけ
松坂屋本店 公式サイト — 客室・温泉・料金の最新情報

編集部から

平日の代休は、家族旅行を「金額の高い週末」から解放できる数少ない機会です。同じ宿でも、稼働が下がる平日は貸切風呂の予約が通り、大浴場が空き、庭を家族だけで歩ける時間が長くなります。松坂屋本店は、その平日運用の恩恵が最も見えやすい規模と造りを持っています。1662年から続く江戸の湯場文化を、4-9歳の子どもと一緒に体験する。運動会明けの、少し疲れた家族の身体を、権現の湯でゆるめる。次に読むなら、同じ首都圏近郊で「兄妹別性期4-9歳の見守り付き家族風呂」を主題にした Top 5 記事、あるいは「祖父母+親子3世代でコネクティングルーム」を掘り下げた記事もあわせて。

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