朝、宿の敷地に出て、まだ露の残るブルーベリーや早生の桃を子どもが自分でもぐ。そのまま朝食のヨーグルトやパフェに並ぶ——7月の家族旅行で、4〜10歳が眠い目のうちに小さな達成感を持ち帰れる宿を5軒選んだ。敷地内や徒歩5分圏で摘み取りができ、収穫を食卓や厨房で受け止めてくれる運営があること。移動の負担がないぶん、朝食後にプールや温泉、周辺散策へ切り替えられる余白も残る。

# ホテル エリア Score 客室 目安価格 1行特徴
1 フルーツパーク富士屋ホテル 山梨県山梨市 94 43 ¥59–¥89k 笛吹川フルーツ公園に隣接、7月はブルーベリーと桃の谷が眼下に広がる
2 農園リゾート ザファーム 千葉県香取市 93 17 ¥52–¥78k 東京ドーム2.5個分の農園、60品目の畑と朝食テラス
3 ナチュラルファームシティ農園ホテル 埼玉県秩父市 87 76 ¥33–¥46k 秩父の丘に建つ大型農園ホテル、地元果樹園と提携する朝夕バイキング
4 リゾートホテル 海辺の果樹園 高知県香南市 86 94 ¥35–¥62k 太平洋を望む丘の南欧風リゾート、敷地内果樹園と菓子工房
5 南部町農林漁業体験実習館 チェリウス 青森県南部町 86 13 ¥11–¥18k 果樹の里・南部町の公共の宿、周辺農園でさくらんぼ・ブルーベリーが揃う
↕︎ 地図右下の角をドラッグすると高さを調整できます

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。摘み取り可能な果樹の種類と時期は、天候により前後します。宿泊前に宿と提携農園へ最新情報を確認してください。

1. フルーツパーク富士屋ホテル — 山梨県山梨市

笛吹川フルーツ公園の中に立つ、7月はブルーベリーと桃の谷を眼下にした宿。編集部が真っ先に推したい一軒。

Media Picks Score: 94 / 100  43室、丘の上の中規模リゾートホテル。

目安価格 ¥59,000–¥89,000 / 泊 (2名1室・通常期)


フルーツパーク富士屋ホテル — 山梨市江曽原 · 笛吹川フルーツ公園内の丘上リゾートの客室
PHOTO: フルーツパーク富士屋ホテル — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

山梨市江曽原、県立笛吹川フルーツ公園の敷地内にある。ホテル玄関を出て徒歩数分でフルーツ公園の果樹エリアに入れる立地で、7月はブルーベリーと早生の桃が同時に色づく期間にあたる。ホテル館内のカフェでは季節ごとに旬のフルーツをパフェで供する仕組みがあり、5〜7月と8〜9月はブルーベリー、7〜8月は桃、9〜10月はぶどう、11〜12月はマロンと入れ替わる。子どもが朝のうちに公園でもぎ、部屋に戻って着替え、朝食で同じ果実に再会する動線が組める宿は多くない。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、富士山と甲府盆地の夜景を望む立地、天然温泉「万葉温泉」の湯質、果物を軸にした食事構成の3点への評価が突出している。子連れ客の感想では、朝食後にそのままフルーツ公園でスタンプラリーや水遊びに移れる段取りの良さと、パフェを目当てに何度も再訪する家族層の存在が見て取れる。一方でリゾートホテルの規格として料金は季節変動が大きく、桃の最盛期は早期に埋まる傾向が指摘されている。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    4〜10歳の子連れで果物狩りを軸に旅程を組みたい家族、夕食後に露天から富士山夜景を眺めたい2世代旅行、記念日と収穫体験を重ねたい家族
  • 向かない:
    予算を¥30,000/泊以下に抑えたい旅程(桃・ぶどう最盛期は特に上振れ)、公共交通のみで往復する子連れ(塩山駅・山梨市駅からは車移動が前提)

具体情報

  • 最寄り駅: JR山梨市駅からタクシー約10分(市営バス便あり)
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜11:00
  • 温泉: 天然温泉「万葉温泉」、露天風呂から富士山と夜景を望む
  • 食事: フルーツを組み込んだ会席・洋食、カフェ ベラビスタで季節のパフェ
  • 7月の果樹: ブルーベリー(5〜7月)・桃(7〜8月)が同時期に園内で楽しめる
  • 駐車場: あり(無料)


2. 農園リゾート ザファーム — 千葉県香取市

東京ドーム2.5個分の農園の中に暮らすように泊まる、都心から90分の農業リゾート。

Media Picks Score: 93 / 100  17室(コテージ・グランピング棟)、農園体験に特化したリゾート。

目安価格 ¥52,000–¥78,000 / 泊 (2名1室・通常期)


農園リゾート ザファーム — 千葉県香取市 · 敷地10haの農園グランピング施設の宿泊棟
PHOTO: 農園リゾート ザファーム — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

千葉県香取市、栗山川沿いの丘陵地に東京ドーム2.5個分(約10ha)の農園を持つ体験型リゾート。約60品目・100種類の野菜と果樹を育てており、7月は敷地内でブルーベリー狩りが可能な期間にあたる。滞在中は宿泊者が旬の野菜を3種類収穫できるプログラムがあり、収穫した野菜と農園の朝どり食材でコテージの朝食ブッフェが組まれる。宿泊はコテージとグランピング棟に分かれ、いずれも敷地内から歩いてすぐに畑に出られる。天然温泉「かりんの湯」が敷地内にあり、収穫のあとの土を落として食事へ移る動線が完結している。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、農園まわりでの収穫・エサやり・水遊びなど「終日敷地内で子どもが遊べる」構成への評価が高い。朝食は品数の多い野菜バイキングで、食材を子ども自身が畑で見てから食べる体験ができる点が親から強く支持されている。一方で全17棟という規模の小ささから、夏休み期間は数ヶ月前から予約が埋まる傾向が指摘され、直近の日程では選択肢が限られる声もある。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    4〜10歳が初めての農園体験、都心から車で往復するファミリー、キャンプ・グランピング初挑戦の家族
  • 向かない:
    公共交通のみで移動する家族(最寄駅から車で25分)、静けさ・大人だけの時間を最優先する旅程、雨天時に室内メインで過ごしたい旅

具体情報

  • 最寄り駅: JR成田駅・佐原駅などから車で約25分、都心から車で約90分
  • 宿泊棟: コテージ棟・グランピング7タイプ(ファミリースイートは最大5名)
  • 敷地: 約10ha(東京ドーム2.5個分)、60品目・100種類の野菜と果樹
  • 温泉: 天然温泉「かりんの湯」を敷地内に併設
  • 食事: 農園の朝どり野菜を使ったモーニングブッフェ
  • 7月の果樹: ブルーベリー狩り、季節野菜3種収穫プログラム


3. ナチュラルファームシティ農園ホテル — 埼玉県秩父市

秩父の丘に建つ、地元農園と組んだ大部屋型ファミリーホテル。3世代旅行の受け皿として使える一軒。

Media Picks Score: 87 / 100  76室、秩父最大級のホテル。

目安価格 ¥33,000–¥46,000 / 泊 (2名1室・通常期)


ナチュラルファームシティ農園ホテル — 秩父市街を眼下に望む丘の上の農園ホテル外観
PHOTO: ナチュラルファームシティ農園ホテル — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

秩父市街を眼下に望む高台にある、木立に囲まれた農園ホテル。館名の通り「農園ホテル」を看板にしており、朝夕バイキングには秩父産の野菜と果実がそのまま並ぶ。ホテル周辺は秩父・長瀞エリアのブルーベリー農園が集中する地域で、宿から車5〜15分圏で7月開園のブルーベリー狩り体験が可能な農園が複数点在する。76室と規模が大きく、3世代・大人数のグループ利用に向くのが特徴で、和洋室・和室・洋室・露天風呂付き和洋室と部屋タイプの幅が広い。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、秩父野菜が中心の朝夕バイキングへの評価が最も高く、次いで街並みを一望する丘上の立地、和洋室の広さと段取りの丁寧さが挙げられている。子連れ家族の感想では、大浴場と露天風呂の適温設定と、フロントによる周辺農園のスケジュール案内への言及が目立つ。一方で建物は改装を重ねた大型ホテルの構造で、館内の高低差については意見が分かれる。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    3世代旅行や大人数のファミリー、都内から週末に車で往復するグループ、朝夕バイキング中心で食事を回したい旅程
  • 向かない:
    小規模で静かなオーベルジュ志向、宿の敷地内で完結させたい旅程(果樹園は宿の外にあるため車移動が前提)、幼児連れで段差を気にする家族

具体情報

  • 最寄り駅: 西武秩父駅から車で約10分、秩父鉄道御花畑駅から車で約8分
  • 客室: 全76室、和洋室・和室・洋室・露天風呂付き和洋室(本館・別館)
  • 大浴場: 展望大浴場と露天風呂を併設
  • 食事: 秩父野菜を軸にした朝夕バイキング
  • 7月の果樹: 車5〜15分圏で秩父・長瀞のブルーベリー農園が7月開園
  • 駐車場: あり


4. リゾートホテル 海辺の果樹園 — 高知県香南市

太平洋を望む丘の南欧風リゾート。敷地内に果樹園と菓子工房を抱え、収穫が翌朝のパフェへ直接届く。

Media Picks Score: 86 / 100  94室、丘の上の中規模リゾート。

目安価格 ¥35,000–¥62,000 / 泊 (2名1室・通常期)


リゾートホテル 海辺の果樹園 — 高知県香南市手結山 · 太平洋を望む丘の南欧風リゾート
PHOTO: リゾートホテル 海辺の果樹園 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

高知県香南市手結山、太平洋を見下ろす丘の上に立つ南欧風リゾート。館名にある通り敷地内に果樹園を持ち、梅・柚子・山桃といった南国の果樹が散策路沿いに植えられている。館内には菓子工房が併設されており、果樹園で収穫した果実がジャムやコンフィチュール、菓子として翌朝の朝食テーブルへ届く仕組みが整う。クアハウス(大浴場)とガーデンテラスを備え、子どもと一緒に体を動かした後にゆっくり過ごせる構成。1994年開業のリゾートホテルで、94室の規模は家族旅行の柔軟な人数対応に向く。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、太平洋を望むロケーションと季節の郷土料理への評価が高く、次いで菓子工房のジャム・スイーツ、丘の上のガーデンテラスでの子どもとの過ごし方が挙がる。子連れ家族の感想では、ホテル前の海岸線と果樹園散策路を朝夕散歩する旅程への言及が目立ち、朝食で「昨日採ったフルーツがそのまま出てくる」体験を評価する声がある。一方、四国内での立地は都市部から離れており、車での移動が前提となる旨の指摘もある。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    四国旅行と果樹園体験を組み合わせたい家族、太平洋を望むリゾートで少しゆっくりしたい旅程、菓子工房やジャムづくりに関心のある子ども連れ
  • 向かない:
    都市部から短時間で移動する週末旅行、桃・ブルーベリーの本場である甲信地方を第一希望とする旅、公共交通のみで動く旅程

具体情報

  • 最寄り駅: JR土讃線後免駅からタクシーまたは車、高知龍馬空港から車で約20分
  • チェックイン: 14:00〜 / アウト 〜12:00
  • 客室: 全94室、南欧風の中規模リゾート
  • 敷地内施設: 果樹園散策路、菓子工房、ガーデンテラス、クアハウス(大浴場)
  • 開業: 1994年
  • 7月の果樹: 敷地内果樹園の梅・柚子・山桃、菓子工房でジャムやスイーツに反映


5. 南部町農林漁業体験実習館 チェリウス — 青森県三戸郡南部町

果樹の里・南部町にある公共の宿。周辺農園でさくらんぼからブルーベリーへ、7月は果樹のリレーが続く。

Media Picks Score: 86 / 100  13室、公共の宿。

目安価格 ¥11,000–¥18,000 / 泊 (2名1室・通常期)


南部町農林漁業体験実習館 チェリウス — 青森県南部町 · 果樹の里に立つ公共の宿の外観
PHOTO: チェリウス — 南部町公式ページを見る →

なぜ選ばれるか

青森県三戸郡南部町、名川地区にある町営の宿泊研修施設。周辺は青森有数の果樹地帯で、6月中旬〜7月中旬のさくらんぼ狩りから7月中旬以降のブルーベリー狩りへ、切れ目なく果樹のリレーが続く。宿から徒歩圏〜車数分の距離に複数の観光農園が点在し、朝のうちに摘み取ってから朝食に戻る動線が組める。全13室の小規模施設で、公共の宿としての価格設定は¥11,000〜¥18,000/泊とファミリーが最も動きやすい水準。館内では押し花・リースなどの手工芸体験も予約可能。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、南部町全体を見渡す大パノラマの眺望、公共の宿としての清潔さと落ち着き、食事の郷土料理色への評価が中心となる。ファミリー客の感想では、周辺のさくらんぼ狩り・ブルーベリー狩りとセットで滞在する使い方が定着している様子が読み取れる。一方で公共施設ゆえに温泉やスパ的な機能は限定的で、湯とグルメを重視する旅程ではやや物足りない声もある。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    予算¥15,000/泊前後で果物狩り体験を組みたい家族、南部町・八戸を絡めた東北縦断旅、農業体験そのものを目的とする子連れ
  • 向かない:
    温泉やスパ、贅沢な食事を主目的とする旅、館内のホスピタリティを重視する2人旅、公共交通のみで移動する家族(八戸駅から車で31分)

具体情報

  • 最寄り駅: 青い森鉄道諏訪ノ平駅から車で約8分、東北新幹線八戸駅から車で約31分
  • 客室: 全13室、洋室中心
  • 7月の果樹: 6月中旬〜7月中旬さくらんぼ、7月中旬以降ブルーベリー、周辺観光農園複数
  • 体験: 北のフルーツパーラーなど公共の宿としての体験メニュー(要問合せ)
  • 駐車場: 無料、普通車80台(大型バス可)
  • 周辺: 南部町全体を見渡す大パノラマの立地


よくある質問

Q. 4歳の子どもでも収穫体験に参加できますか?

A. 5軒とも4歳〜10歳のファミリー利用を前提に選定している。ザファームは畑での収穫体験・エサやり・水遊びが揃い、フルーツパーク富士屋ホテルは笛吹川フルーツ公園の水の遊び場と温室が併設されるため、収穫の合間に体を動かせる。チェリウスは周辺農園での摘み取りが中心となるため、農園ごとに受入年齢を事前確認するのが確実。

Q. 7月にブルーベリーと桃の両方を体験できるのはどこですか?

A. 山梨市のフルーツパーク富士屋ホテルが最も両立しやすい。園内のブルーベリーは5〜7月、桃は7〜8月と時期が重なる期間があり、7月中旬〜下旬の宿泊であれば同じ滞在で両方に触れられる。桃の摘み取りは笛吹市や山梨市の提携農園と組み合わせる形が主。

Q. 朝食は何時から始まりますか?摘み取りの後に間に合いますか?

A. 一般的にリゾートホテルの朝食は7:00〜9:30の枠で提供される。フルーツパーク・海辺の果樹園・ナチュラルファームシティは館内バイキング型で時間帯に余裕があり、6時台に摘み取りに出ても余裕を持って戻れる。ザファームは棟ごとの朝食提供時間が異なるため、予約時に「早朝収穫を組み込みたい」旨を伝えると段取りが良い。

Q. 車がなくても行けますか?

A. 5軒のうち公共交通で無理なく到達できるのはフルーツパーク富士屋ホテル(山梨市駅からタクシー10分)のみ。他4軒は最寄駅から車15〜30分の距離にあり、レンタカーまたは自家用車での移動が前提となる。特にザファーム・海辺の果樹園・チェリウスは周辺農園との移動も車が必要になるため、レンタカー手配込みで旅程を組みたい。

Q. 摘んだ果実は食堂で使ってもらえますか?

A. 敷地内に果樹園を持つフルーツパーク富士屋ホテル・ザファーム・海辺の果樹園は、収穫した果実をカフェや朝食で反映する運用が定着している。ナチュラルファームシティとチェリウスは提携農園型のため、持ち帰り前提の運用が中心。「摘んで、その場で朝食に並ぶ」体験を最重視するなら上位3軒が確実。

本記事の参考情報

富士の国やまなし観光ネット(山梨県公式観光情報) — 山梨のフルーツ狩り情報
ちば観光ナビ(千葉県公式観光サイト) — 香取市・農園体験
秩父観光協会 — 秩父・長瀞のブルーベリー農園
青森県南部町観光協会 — 南部町の果樹園・体験情報

編集部から

果樹の摘み取りは、子どもが「自分でできた」を持ち帰れる数少ない旅程の一つで、宿の敷地内で完結すれば移動疲れも回避できる。今回選んだ5軒は、価格帯・地域・規模の幅を持たせつつ、共通して「摘む→食べる→遊ぶ→戻る」の輪郭が組みやすい設計になっている。関東圏で日帰り延長のような気軽さを求めるならザファームか秩父、山梨で桃の谷を体感するならフルーツパーク富士屋ホテル、四国縦断や東北縦断の旅程に組み込むなら海辺の果樹園とチェリウス——という選び分けで考えたい。次はぶどう狩りが最盛期を迎える9月に向けた家族宿の記事を予定している。夏休みの前半に果物、後半にぶどう、と季節を追いかける家族旅行の型はどうだろうか?

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