3歳から9歳の子どもと桃の節句・端午の節句を宿で迎えるなら、編集部が選ぶのは福岡県柳川市の「柳川藩主立花邸 御花」です。柳川藩主だった立花家の末裔が営む料亭旅館で、春には館内に柳川の吊るし飾り「さげもん」が下がり、料亭では子ども用のお祝い膳を頼めます。雛人形や五月人形を家でフルに飾るのが難しくなった家族にとって、大名家の屋敷で節句をまるごと体験できる一軒です。この記事では、展示の中身と公開期間、子ども向けの食事、近くの工作体験を時刻・料金と一緒にまとめ、いつ予約すれば子どもが見られるかを時期ごとに整理しました。テーマの当初条件(客室30〜120室・館内に大型の段飾り・館内の工作体験)と合わない点も、そのまま書いています。
※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。
1. 柳川藩主立花邸 御花 — 福岡県柳川市
藩主の末裔が営む城下町の料亭旅館。さげもんの下がる春の屋敷で、子どもの節句をお祝い膳とともに迎えられる一軒です。
20室、料亭旅館(国指定名勝の敷地内に建つホテル棟「松濤館」)。
目安価格 ¥94,000–¥165,000 / 泊 (2名1室・通常期)

なぜ選ばれるか
節句の飾りを「見る」だけでなく、食事と写真まで宿の中で済ませられることが一番の理由です。春の桃の節句プランでは、料亭の個室が節句仕様にしつらえられ、子どもの名前入りウェルカムボードと甘酒が付きます。写真は西洋館のさげもんフォトスペースを30分貸切で使えます。泊まれば、立花家史料館で歴代藩主の甲冑も見られます。屋敷そのものが文化財なので、柳川という城下町の成り立ちを子どもに話すきっかけも自然に生まれます。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計すると、料理の味、観光の拠点としての立地、松濤園をはじめとする庭園、改装後の客室への評価が目立ちます。スタッフの対応に触れた感想も一定数あります。はっきりした弱点として挙がる項目は見られませんでした。一方で、温泉や大浴場を目当てにする宿ではありません。子ども連れの場合も、湯船で遊ばせる滞在ではなく、庭と屋敷を歩いて食事を楽しむ滞在になると考えておくと、期待とのずれが少なくなります。
向く人 / 向かない人
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向く:
初節句や桃の節句・端午の節句に家族で記念の一泊を考えている人、祖父母と3世代で節句を祝いたい人、歴史や甲冑に興味が出てきた6〜9歳の子どもがいる家族 -
向かない:
温泉や大浴場で過ごしたい人(館内に大浴場なし)、走り回れる屋内プレイルームを求める未就学児連れ(文化財の見学エリアが中心)、1泊5万円以下に予算を抑えたい旅程
具体情報
- 最寄り駅: 西鉄柳川駅からタクシー10分/バス15分(西鉄福岡(天神)駅から特急48分)
- 客室: 20室・約35〜88㎡。公式の客室案内では、全タイプとも、定員に加えて寝具なしの未就学児2名まで泊まれます
- 家族向けの客室例: 「蜜柑」81.67㎡は定員6名で寝室が2部屋、「芍薬」65.95㎡は定員5名
- 食事: 料亭「集景亭」の個室で会席料理(個室は7部屋、部屋によっては椅子・テーブル席)
- 館内ガイド: 毎日16時〜17時。確実に参加するには16時までに到着
- 宿泊料金に含まれるもの: 立花家史料館の入館料、文化財の見学料、ドリンクラウンジ
- 駐車場: 宿泊・料亭を予約した人の専用駐車場が松濤館前にあり
- リニューアル: ホテル棟「松濤館」の全客室を改修し、2025年1月11日に再開業
節句の展示:何が、どこに、いつまで
最初にテーマとの違いを書いておきます。公式サイトで確認できる御花の春の展示は、ロビーの大型段飾りではありません。館内の「さげもん」と雛人形が中心です。2026年の「柳川雛祭り さげもんめぐり」の期間(2月11日〜4月3日)には、次の3つが用意されました。
- さげもんフォトスタジオ: 文化財エリアの西洋館に設置。宿泊者だけでなく日帰りの見学者も利用できます。立花家の家紋「祇園守紋」を背景に、さげもんと雛人形が並びます(上の写真)。
- さげもんルーム: 客室「芍薬」(65.95㎡・定員5名)を、さげもん・雛人形・柳川まり・季節の花で飾った部屋。1日1室限定で、1泊2食付き2名で45,870円からでした。2026年は1月26日に予約受付が始まっています。
- 立花家史料館の甲冑: 史料館の平常展示では、初代藩主・立花宗茂をはじめとする歴代藩主の甲冑を公開しています。開館は10時〜16時(入館は15時40分まで)で、宿泊料金に入館料が含まれます。展示替えがあるため、どの甲冑が出ているかは時期によって変わります。
町なかの行事としては、2026年の「おひな様水上パレード」が3月15日(日)11時〜12時20分に開かれました。雨天の場合は20日(金・祝)に順延される予定でした。
節句の食事:子ども向けメニューと時刻
節句の食事は料亭「集景亭」の個室でとります。会席料理は事前予約制で、3日前の14時までに申し込む必要があります。2026年の内容は次のとおりです(税込)。
- 桃の節句(2026年2月23日〜4月3日): 「桃の節句会席」12,100円、「さげもん膳」9,680円、子ども向けの「お子様 お祝い膳」3,630円、「お子様御膳」2,420円。
- 桃の節句オプション(子ども1名につき5,500円): 個室の床の間の節句しつらえ、甘酒、さげもんフォトスペースの30分貸切、チェキ1台(最大10枚)、名入りのウェルカムボードとメッセージカード。料理代は別です。
- お舟でお節句(2026年2月26日〜4月3日): 節句仕様の貸切舟でさげもん膳を食べるプランで、乗船は12時からのみです。料金はさげもん膳込みで1名22,000円です。子どもメニューを頼んだ子どもには乗船料がかかりません。最大8名(子どもを含む)。
- 端午の節句(2026年4月15日〜5月31日): 「端午の節句会席」12,100円。子ども向けメニューは桃の節句と同じ料金です。オプション(5,500円)には、立花家御用達「吉藏」の鯉のぼり菓子と、フォトスペースの30分貸切が付きます。
同じ料亭で、お食い初めの「ぽっぽ膳」(3,630円)も用意されています。下の子の百日祝いと上の子の節句を、1回の滞在でまとめて祝うこともできます。

工作体験:さげもん作りは市内の手芸店で
公式サイトを確認したかぎりでは、御花の館内で子ども向けの工作体験(折り紙や絵付けなど)は開かれていません。代わりに組み込みやすいのが、明治創業の「ハラダ手芸店」(柳川市辻町1)のさげもん作り体験です。
- 受付時間: 月〜土曜(祝日を除く)13時〜16時。第1・第3日曜は定休日です。
- 所要時間: 約30〜120分(作るものによって変わります)
- 料金: 1,000〜1,900円。定員は5名で、前日までに予約が必要です。
- コース: いちご/うさぎ/宝袋/ふくろうさげもん/木目込みまり。子どもでも作れるとされているのは「ふくろうさげもん」です。
対象年齢は公表されていません。ちりめんの細工物なので、未就学児と参加するときは予約の際に年齢を伝えて確認しておくと安心です。土曜の13時に手芸店で作り始めれば、16時に始まる御花の館内ガイドに間に合います。
いつ予約すれば見られるか(2027年の目安)
2027年の日程はまだ発表されていません。以下は2026年の実績をもとにした目安です。
- 1月下旬: 1日1室のさげもんルームの予約が始まる時期です(2026年は1月26日)。この部屋を狙うならこの時期に予約します。
- 2月中旬〜4月3日: さげもんめぐりの期間で、フォトスタジオもこの間に設置されます(2026年は2月11日〜4月3日)。
- 2月下旬〜4月3日: 料亭の桃の節句プランの期間です(2026年は2月23日から)。祝い膳と30分貸切の撮影を両方とも確実に入れるなら、この期間の土曜に泊まります。
- 3月中旬の日曜: おひな様水上パレードの日です(2026年は3月15日)。町の混雑が増えるため、静かに過ごしたい家族は前後の週末を選びます。
- 4月中旬〜5月末: 端午の節句プランの期間です(2026年は4月15日〜5月31日)。甲冑や兜に興味が出てくる年齢の男の子には、こちらの時期が合います。
公開販売価格の集計を見ると、2月は3〜5月に比べて価格が低めに出る傾向があります。予算を抑えたい場合は、2月下旬の平日泊も候補になります。

編集部の評価
公開レビューデータの集計に、編集部の評価(立地・節句の体験・家族向けの設え)を加えて算出しました。館内に大型の段飾りがないこと、館内で工作体験が開かれていないことは減点しています。それでも、節句をお祝い膳・しつらえ・撮影まで宿の中で完結できる点を高く評価しました。
よくある質問
Q. 未就学児は添い寝で泊まれますか?
A. 泊まれます。公式サイトの客室案内では、どの客室も定員に加えて「未就学児(寝具なし)2名」まで泊まれると案内されています。布団を別に用意したい場合や、5人以上で泊まる場合は、定員6名の「蜜柑」や定員5名の「芍薬」を選ぶと余裕があります。
Q. 大浴場や温泉はありますか?
A. 温泉や大浴場はありません。入浴は客室のバスルームでします。子どもと大浴場で過ごしたい家族は、近隣の温泉地と組み合わせた2泊の行程にするなど、旅程の側で調整しておくと安心です。
Q. 子ども向けの節句の食事はいくらですか?
A. 2026年の実績では、「お子様御膳」が2,420円、「お子様 お祝い膳」が3,630円(いずれも税込)でした。しつらえと30分貸切の撮影が付く節句オプションは、子ども1名につき5,500円で、料理代は別です。会席料理は3日前の14時までの予約制です。
Q. 車で行けますか?駐車場はありますか?
A. 宿泊や料亭を予約した人向けの専用駐車場が、ホテル棟「松濤館」の前にあります。電車の場合は、西鉄福岡(天神)駅から特急で48分の西鉄柳川駅で降り、タクシーで10分です。新幹線の場合は、九州新幹線の筑後船小屋駅からタクシーで約30分です。
Q. 甲冑は必ず見られますか?
A. 立花家史料館は、歴代藩主の甲冑を平常展示で公開しています。ただし展示替えがあるため、どの甲冑が出ているかは時期によって変わります。宿泊料金に入館料が含まれていて、開館時間は10時〜16時(入館は15時40分まで)です。チェックイン当日に見るなら、到着時刻をそれに合わせておきます。
本記事の参考情報
・柳川藩主立花邸 御花「料亭 桃の節句のお祝い」 — 節句の会席・子ども向けメニュー・オプションの料金と期間
・柳川藩主立花邸 御花「料亭 端午の節句のお祝い」 — 端午の節句プランの期間と内容
・立花家史料館 — 武具甲冑などの収蔵品と平常展示
・クロスロードふくおか「柳川雛祭り さげもんめぐり」 — 2026年の開催期間と水上パレード
・クロスロードふくおか「手ぶらで気軽に『さげもん』作り」 — 体験の時間・料金・所要時間
・Wikipedia: 立花氏庭園 — 国指定名勝の歴史的背景
編集部から
当初のテーマは「城下町の30〜120室の旅館で、館内に大型の段飾りと工作体験があること」でした。公式の告知で裏付けが取れる宿の中で、条件にいちばん近かったのが御花です。客室は20室と小さく、飾りも段飾りではなくさげもんです。それでも、節句の食事、子どものための撮影、甲冑の見学までを一つの屋敷の中で組める宿は多くありません。工作は町の手芸店に任せ、食事と撮影と見学は宿で済ませる。この分け方なら、3〜9歳の子どもと無理のない1泊2日になります。家にある小さな雛人形と、屋敷の大きなさげもん。子どもはどちらを先に見上げるでしょうか。

