大浴場に泡風呂・ジェットバス・打たせ湯といった「仕掛け湯」がある家族温泉宿を、全国から5軒選んだ。4〜9歳は、静かに浸かるだけの湯船だと3分で飽きて出たがる。泡が体を包む、水流が肩を叩く、湯が上から落ちてくる——湯のなかに動きがあれば、子どもは自分から入っていられる。その間に親も肩まで温まれる。ここで挙げた5軒は、いずれも公式サイトの浴場設備一覧で仕掛け湯の種類を確認できた宿に限った。残暑から初秋にかけての、汗をかいた体を短時間で温めて湯冷めさせずに寝かせたい夜の一泊に向く。

# 宿 エリア Score 湯の数 目安価格 大浴場の仕掛け湯
1 第一滝本館 北海道・登別温泉 93 35槽 ¥52–¥76k 打たせ湯・気泡風呂・寝湯・歩行浴。水着で入る温水プールは通年、露天ジャグジーは5〜10月
2 源泉の宿 萩本陣 山口県・萩市 91 14タイプ ¥50–¥68k ジェットバスの「水流の間」、泡の「気泡の間」、歩いて入る「歩の間」など14タイプ
3 道後プリンスホテル 愛媛県・道後温泉 90 大浴場+露天8 ¥43–¥56k バイブラバス・ジェットバス・シルクバス。露天は左右あわせて8つの湯船
4 坐山 みなかみ 群馬県・水上温泉 87 15種 ¥40–¥60k 渓流沿いに8つの浴槽が連なる「奥利根八湯」。うち1つが泡のジャグジー
5 美輝の里 岐阜県・下呂市馬瀬 86 15種 ¥37–¥49k 打たせ湯・気泡浴・腰痛用水流浴・寝湯・ぬる湯を含む15種の浴槽

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。子ども料金は別途となる場合があります。

1. 第一滝本館 — 北海道・登別温泉

1500坪の浴場棟に35の浴槽。打たせ湯も気泡風呂も、水着で家族一緒に入る温水プールもある、仕掛け湯の総量で群を抜く一軒。

Media Picks Score: 93 / 100  4つの宿泊棟をもつ大型温泉ホテル。

目安価格 ¥52,000–¥76,000 / 泊 (2名1室・通常期)


第一滝本館 — 北海道登別温泉 · 地獄谷を見晴らす食塩泉の展望大浴場、1500坪の浴場専用棟に35浴槽
PHOTO: 第一滝本館 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

仕掛け湯の「数」で選ぶなら、まずここになる。露天風呂と健康浴、温水プールを併設した1500坪の浴場専用棟に、男女合計35の浴槽が並ぶ。公式サイトの浴場案内には、寝湯・打たせ湯・歩行浴・気泡風呂が健康浴ゾーンとして明記されている。寝湯と打たせ湯には硫黄泉、歩行浴には食塩泉と、浴槽ごとに使う源泉を変えているのも特徴。登別温泉最多の5つの泉質を、源泉かけ流しで館内だけで巡れる。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、浴槽の種類の多さへの言及がこの宿の評価の中心にある。「一日いても飽きない」という趣旨の反応が家族連れの層に集中しており、子連れ滞在での満足度が湯めぐりの選択肢の多さと結びついていることが読み取れる。一方で規模が大きい分、夕食会場や大浴場の時間帯による混雑に触れる声も一定数ある。到着直後の15時台や早朝に湯へ入る家族の評価が相対的に高い傾向が見て取れる。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    湯船に長く入っていられない4〜9歳と泊まる家族、水着で親子一緒に遊ばせたい家族、雨天や悪天候でも館内だけで一日過ごしたい旅程
  • 向かない:
    静かな小規模宿を望む人(4つの宿泊棟をもつ大型館で館内移動も長い)、混雑を避けたい休日前後の連泊、車以外で登別温泉に入る予定で乗り換えを増やしたくない旅程

具体情報

  • 大浴場: 1,500坪の専用棟に浴槽男女計35槽、5つの泉質(食塩泉・芒硝泉・硫黄泉・酸性緑ばん泉・重曹泉)を源泉かけ流し
  • 仕掛け湯: 寝湯・打たせ湯(硫黄泉)/歩行浴(食塩泉)/気泡風呂(湯温40℃前後)
  • プール: プレイゾーンに25mプールと遊戯用プール。温水プールは通年営業。露天ジャグジーは公式サイトが11月〜4月は閉鎖と案内。いずれも水着着用なら男女問わず利用できる。水着と浮き輪は大浴場フロア受付カウンターで有料レンタルあり(浮き輪550円・空気入れ無料)
  • チェックイン: 14:00〜 / アウト 〜10:00(プレミアムクラスは〜11:00)
  • アクセス: 高速道路は登別東IC。札幌駅前バスターミナルから直行の高速バス便あり(完全予約制)。無料駐車場あり
  • 客室数: 公式サイトでは非公表(日本旅館協会の施設情報では399室)。本館・南館・西館・東館の4つの宿泊棟で、西館にユニバーサルルームあり


2. 源泉の宿 萩本陣 — 山口県・萩市

「水流の間」「気泡の間」「歩の間」——湯船に一つずつ名前が付いた14タイプの湯めぐり。脱衣場にベビーベッドもある。

Media Picks Score: 91 / 100  自家源泉の温泉旅館、大浴場は14タイプ。

目安価格 ¥50,000–¥68,000 / 泊 (2名1室・通常期)


源泉の宿 萩本陣 — 山口県萩市椿東 · 庭園を囲む回廊式大浴場「湯の丸」、14タイプの湯船が並ぶ
PHOTO: 源泉の宿 萩本陣 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

大浴場「湯の丸」は、庭園を中心に回廊式で浴槽が並び、あわせて14タイプの入り方ができる。仕掛け湯として明記されているのは、四方八方から高い水圧の水流が出る「水流の間」(ジェットバス)と、無数の小さな泡が体を包む「気泡の間」。公式サイトは気泡の間について、ポコポコとした音も心地よいと書いている。子どもが反応するのはまさにその音と泡で、湯船を移動する動機になる。足首までの浅い湯を歩く「歩の間」も、じっとしていられない年齢には向く。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、浴場の種類の豊富さと自家源泉の湯質の両方に評価が集まる二軸型の宿であることが分かる。家族利用の層では、湯船を次々に移動できる構成そのものが滞在時間を伸ばしているという傾向が読み取れる。接客と食事に関する評価も安定して高い。一方で立地が萩市街から少し離れるため、観光の移動を宿の送迎やレンタカーに頼る前提かどうかで満足度が分かれる面がある。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    乳児連れ(脱衣場にベビーベッドあり)、湯船を移動して回るのが好きな4〜9歳、萩城下町の観光と組み合わせる1〜2泊、車で移動する家族(約100台の屋外駐車場)
  • 向かない:
    水深120cmの「立の間」がある構成なので、目を離しやすい年齢の子と入る場合は注意が要る。朝の入浴は6:00〜9:30と幅が狭く、朝寝坊の家族には使いづらい。二つの大浴場は男女入替制で、ジェットバスの「水流の間」は片側にしかない。特別室(全4室)は小学生未満の子どもの利用ができないと公式に案内されている

具体情報

  • 大浴場: 「湯の丸」椿の湯/紅葉の湯の2浴場、男女入替制であわせて14タイプ
  • 仕掛け湯: 水流の間(ジェットバス)/気泡の間(泡)/歩の間(足首までの湯を歩く)/寝の間/座の間/立の間(水深120cm)
  • 入浴時間: 13:00〜23:30(最終入場23:00)、6:00〜9:30(最終入場9:00)
  • 脱衣場設備: ベビーベッド、冷水器、鍵付き衣類手荷物入れ、洗浄機付きトイレ
  • 泉質: 地下約2000mから汲み上げる自家源泉、カルシウム・ナトリウム−塩化物温泉
  • 貸切温泉: 事前予約制、60分5,000円(年末年始・GW・お盆は6,000円)
  • アクセス: 東萩駅から車約5分。15:00〜18:00に東萩駅・萩明倫センターから無料送迎。駐車場約100台


3. 道後プリンスホテル — 愛媛県・道後温泉

大浴場にバイブラバス・ジェットバス・シルクバス。湯から上がった先にはボールプールとまんが5,000冊が待っている。

Media Picks Score: 90 / 100  道後温泉の温泉ホテル、館内湯めぐり型。

目安価格 ¥43,000–¥56,000 / 泊 (2名1室・通常期)


道後プリンスホテル — 愛媛県松山市道後姫塚 · 庭園の四季を望む露天風呂「ゆのね」、左右あわせて8つの湯船
PHOTO: 道後プリンスホテル — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

2020年にリニューアルした大浴場「ゆのか」には、バイブラバス・ジェットバス・シルクバスが揃う。泡の粒の大きさが違う3種類が同じ浴場内にあるので、子どもは自然に「どれが好きか」を試して回ることになる。露天風呂「ゆのね」は庭園を望み、左右あわせて8つの湯船。そのうえ館内には、みかん色と海の青のボールプール、5,000冊のまんがコーナー、卓球ルームがある。湯に入る前後の待ち時間を子どもが持て余さない構成になっている。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、この宿の評価は「湯」と「館内で過ごす時間」の二つに分かれて集まる。家族利用の層では館内の遊べる設備への言及が目立ち、子どもが飽きなかったという趣旨の反応が滞在満足度を押し上げている。温泉そのものについても、浴槽の種類の多さと露天の開放感が支持されている。一方で施設の年季に触れる声もあり、新しさを最優先する層とは評価が割れる傾向が見て取れる。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    入浴前後に子どもが退屈しやすい家族、道後温泉本館やアーケード街を歩く旅程(送迎バスが道後温泉駅前まで運行)、雨の日に館内で完結させたい1泊
  • 向かない:
    静けさを最優先する滞在(ボールプールや卓球など館内が賑やか)、建物の新しさを重視する人、駐車場の台数に限りがあるため繁忙期に車で行く旅程

具体情報

  • 大浴場「ゆのか」: 2020年リニューアル。バイブラバス・ジェットバス・シルクバス、ロウリュサウナ・スチームサウナ
  • 露天風呂「ゆのね」: 左右あわせて8つの湯船
  • 貸切露天風呂「ゆらく」: 4つの露天から選択(1回45分、宿泊者3,300円/日帰り5,500円。事前予約制ではなくチェックイン時に申し込み)
  • 子ども向け館内施設: ボールプール「みかんボールの湯」「しまなみの湯」15:00〜22:00/7:00〜10:00、まんがコーナー約5,000冊 15:00〜24:00/5:00〜10:00、卓球ルーム
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜10:00
  • 泉質: 道後温泉、アルカリ単純温泉
  • アクセス: ホテルと道後温泉駅のカラクリ時計前を結ぶ送迎バスが15:00〜22:00に約10分間隔で運行


4. 坐山 みなかみ — 群馬県・水上温泉

渓流沿いに8つの浴槽が連なる「奥利根八湯」。洞窟風呂からクリスタル風呂まで、湯船を横に移動していく構成が子どもの足を止めない。

Media Picks Score: 87 / 100  81室、温泉旅館。

目安価格 ¥40,000–¥60,000 / 泊 (2名1室・通常期)


坐山 みなかみ — 群馬県みなかみ町小日向 · 利根川渓流を望む「奥利根八湯」、丸い泡風呂を含む8つの浴槽が連なる
PHOTO: 坐山 みなかみ — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

旧・水上館の名で知られる宿で、現在は「坐山 みなかみ」として運営されている。浴場は3か所あわせて15種の湯めぐりだが、子連れに効くのは渓流に沿って8つの浴槽が連なる「奥利根八湯」。洞窟風呂、月夜野焼で仕上げた辰砂の湯、檜の湯、群馬の工芸ガラスを使ったクリスタル風呂、そして泡のジャグジー——見た目も素材も違う湯船が横一列に並ぶので、子どもは「次はどれ」と自分で歩いていく。全浴槽から利根川源流の渓流が見えるのも、湯に入る理由になる。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、湯めぐりの構成と渓流の眺めに評価が集中している。家族利用の層では、複数の浴槽を回ること自体が滞在の中身になっているという傾向が読み取れる。館内の貸切風呂を併用した滞在の評価も高い。一方で歴史のある建物ゆえに館内に段差があり、そこに触れる声も見られる。設備の新旧より湯の構成を重視する家族と相性がいい宿だと言える。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    首都圏から車で行く1泊(東京から約90分、水上ICから約7分)、湯船を渡り歩くのが好きな4〜9歳、大浴場と貸切風呂を組み合わせたい家族、川遊びやアクティビティと合わせる旅程
  • 向かない:
    ベビーカーでの館内移動(公式サイトが大浴場・露天風呂ともに多少の段差や階段があると明記)、サウナ目的の滞在(水晶風呂のサウナは男女で時間帯が分かれる)、朝ゆっくり湯に入りたい家族(チェックアウトは10:00)

具体情報

  • 浴場: 3浴場あわせて15種の湯めぐり。奥利根八湯(内湯6・露天2)/牧水の湯(昭和2年建築の梁を残した檜風呂)/水晶の湯(ひばの風呂・樽型露天)
  • 仕掛け湯: 奥利根八湯のジャグジー(公式サイトは「快適な泡のお風呂」と説明)
  • 貸切風呂: 3か所、宿泊者限定・事前予約制。桶の風呂/岩風呂 45分1,650円、白蓮の湯 45分2,200円
  • チェックイン: 15:00〜(18:00を過ぎる場合は要連絡、夕食最終19:30) / アウト 〜10:00
  • 泉質: 水上温泉 旧湯、カルシウム・ナトリウム−硫酸塩・塩化物温泉。かけ流し循環併用式
  • 館内設備: キッズスペース、卓球、ロビーラウンジ、エステ。駐車場100台(無料)
  • 客室数: 総客室数81室
  • アクセス: 東京から車で約90分、関越自動車道 水上ICから車で約7分


5. 美輝の里 — 岐阜県・下呂市馬瀬

打たせ湯・気泡浴・寝湯・ぬる湯を含む15種。小規模な宿だから、混み合わずに湯船を試して回れる。

Media Picks Score: 86 / 100  小規模の温泉宿泊施設、浴場は15種。

目安価格 ¥37,000–¥49,000 / 泊 (2名1室・通常期)


美輝の里 — 岐阜県下呂市馬瀬西村 · 南飛騨の山並みを望む露天風呂、15種の浴槽を備える馬瀬川温泉
PHOTO: 美輝の里 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

仕掛け湯の種類だけを並べれば、5軒のなかでもっとも密度が高い。公式サイトの浴場案内には、打たせ湯、気泡浴・腰痛用水流浴、寝湯、深湯、ぬる湯、水浴、足浴、かぶり湯、ボディーシャワー、露天風呂が個別に説明されている。名前のとおり「ぬる湯」が独立した浴槽として用意されているのが、熱い湯を嫌がる子どもと入る側にはありがたい。客室数の少ない小規模な施設で、大型館のように浴場が混み合わないのも、湯船を順に試したい家族には効いてくる。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、レビュー総数に対する浴場の種類への言及割合が非常に高く、この施設が「湯の多さ」で記憶されていることが分かる。山間の立地ゆえに周辺の観光施設は限られるが、それを承知で湯と食事のために訪れる層の評価が安定している。家族利用では、日帰り客と時間帯が重なる夕方より、宿泊者だけになる夜や早朝の入浴が快適だったという傾向が見て取れる。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    名古屋方面から車で行く家族(約2時間10分)、熱い湯が苦手な子ども(独立した「ぬる湯」あり)、混雑を避けたい滞在、価格を抑えつつ湯の種類を求める旅程
  • 向かない:
    公共交通中心の旅程(山間部で車がないと不便)、周辺観光を詰め込みたい旅、日帰り入浴の受付時間(〜21:30)と重なる夕方に静かに入りたい家族、日替わり美人湯・足浴・水浴は温泉を使用していない旨が公式に明記されており、全浴槽が温泉であることを求める人

具体情報

  • 浴場: 15種の温泉浴。深湯/気泡浴・腰痛用水流浴/寝湯/打たせ湯/ぬる湯/水浴/足浴(男性浴場)/日替わり美人湯(女性浴場)/かぶり湯/ボディーシャワー/露天風呂
  • サウナ: 箱むし(飛騨檜)/ミストサウナ/ドライサウナ。釜風呂(岩盤浴)は設備故障のため2026年1月24日から当面休止と公式サイトが告知(温泉・サウナは利用可)
  • 入浴時間(宿泊者): 10:30〜23:00/6:00〜9:00、料金無料
  • 日帰り入浴: 大人900円/小人500円、10:30〜21:30(最終受付21:00)。19:00〜のハッピーアワーは大人700円/小人400円
  • チェックイン: 二食付 15:00〜19:00(素泊・朝食付は〜21:00) / アウト 〜10:30
  • 泉質: 馬瀬川温泉、アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性低温泉)。源泉温度32.2℃のため加温、循環ろ過あり
  • アクセス: 名古屋から車で約2時間10分(東海北陸自動車道 郡上八幡IC経由)、大阪から約4時間。ただし岩屋ダム付近の県道が法面崩壊で2026年1月24日から通行止め(復旧未定)のため、公式サイトは国道256号・ささゆりトンネルから下呂・萩原方面を経て国道257号で馬瀬に入る迂回路を案内している。JR高山本線 飛騨萩原駅から宿泊者向けの無料送迎あり(予約時に要依頼)


よくある質問

Q. 泡風呂やジェットバスに、子どもは何歳から入れますか?

A. 各宿の公式サイトに、仕掛け湯そのものへの年齢制限の記載は見当たらない。判断は保護者に委ねられていると考えるのが妥当で、実務的には湯の強さで選ぶことになる。水流の強いジェットバスは、体の小さい子どもだと押されて姿勢を崩すことがある。最初は泡の細かいバイブラバスやシルクバス、気泡風呂から慣らすほうが無理がない。第一滝本館は気泡風呂の湯温を40℃前後と公式に明記しており、目安として参考になる。深さのある浴槽(萩本陣の「立の間」は水深120cm)は避けるよう、入浴前に子どもと確認しておきたい。

Q. 残暑の時期に温泉へ行くと、湯冷めや逆上せが心配です。

A. 9月はまだ日中の気温が高く、熱い湯に長く入ると子どもは逆上せやすい。仕掛け湯のある宿を選ぶ利点は、ぬるめの浴槽に「遊ぶ理由」があるため、結果的に低い湯温で長く温まれる点にある。美輝の里は「ぬる湯」を独立した浴槽として用意しており、第一滝本館も浴槽ごとにぬるめ・熱め・適温を整えていると説明している。入浴は夕食前より夕食後、就寝の1時間ほど前に済ませると、湯冷めせずそのまま寝かせやすい。

Q. 4〜9歳が10分間、湯船にいられるようにするコツはありますか?

A. 一つの浴槽で10分を目指すより、3つの浴槽を3〜4分ずつ回るほうが現実的。泡で遊ぶ、歩行浴を歩く、寝湯で寝る——動作の違う浴槽を順に回れば、体感は「遊んでいる時間」でも合計は10分を超える。萩本陣のように浴槽に「水流の間」「歩の間」と名前が付いていると、次にどこへ行くかを言葉で伝えられるので進めやすい。移動の途中で体が冷えないよう、かけ湯を挟むとより温まりやすい。

Q. 混雑を避けるには何時に入るのがいいですか?

A. 夕食前の17〜19時台がどの宿でももっとも混み合う。子連れなら、チェックイン直後の15〜16時台か、夕食後の21時以降が入りやすい。翌朝の入浴時間は宿によって幅が異なり、萩本陣は6:00〜9:30(最終入場9:00)、美輝の里は6:00〜9:00と朝が短め。朝に入る前提なら、事前に時間を確認しておきたい。日帰り入浴を受け付けている宿では、日帰り客の受付終了後が最も静かになる。

Q. 貸切風呂も併用したほうがいいでしょうか?

A. 大浴場の仕掛け湯で遊ばせる日と、家族だけで落ち着いて入る日を分けられるなら、1泊でも両方使う価値はある。萩本陣は事前予約制で60分5,000円、坐山 みなかみは宿泊者限定で45分1,650円〜2,200円、道後プリンスホテルは4つの露天から選べる貸切露天風呂を用意している。子どもが大浴場を嫌がった場合の逃げ道にもなるので、初めての宿では夕食前の枠を一つ押さえておくと安心度が上がる。

本記事の参考情報

登別国際観光コンベンション協会 — 登別温泉エリアの観光・交通情報
道後温泉旅館協同組合 — 道後温泉の外湯・周辺情報
みなかみ町観光協会 — 水上温泉と周辺アクティビティ
萩市観光協会 — 萩城下町の見どころとアクセス
環境省 自然環境局「温泉」 — 泉質・入浴に関する基礎情報

編集部から

今回の5軒に共通するのは、「湯船に動きがある」という一点だけ。泉質の格も、建物の新しさも、価格帯もばらばらで、選定の基準はそこに置いていない。子どもが自分から湯に入っていられる時間が10分あるかどうかで、親が肩まで温まれるかが決まる。残暑の夜、汗をかいた体を短く温めて湯冷めさせずに寝かせたい——その一点で選ぶなら、浴槽の数より「動きのある浴槽が何種類あるか」を公式サイトの浴場設備一覧で確認するのがいちばん早い。次の宿を探すとき、浴場ページに「打たせ湯」「気泡」「ジェット」の三語があるかどうかを見てみると、子連れの入浴時間はどう変わるだろうか。

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